昨日は島根県立美術館へ『菊竹清訓 山陰と建築』の鑑賞に行ってまいりました。
故『菊竹清訓』氏は島根県立美術館を設計した日本を代表する建築家。
時の島根県知事、田部長右衛門さんに気に入られ、島根県立図書館、島根県立武道館、田部美術館、出雲大社神祜殿、東光園、境港マリーナホテル、島根県立美術館など、多くの公共施設を手掛けられて山陰では馴染み深い建築家です。
展示は当時の貴重な手描きの図面やスケッチ、模型や映像など多岐にわたり、年代に分けて作品の展示・解説、という紹介。
濃密な手描きの図面の迫力には、息を飲むほど、食い入るように見てしまいました。
私が製図を教えている米子高専の生徒が作った東光園の模型も精巧で、特徴である構造表現も良く出来ていました。
面白かったのは代表作でもある『スカイハウス』という菊竹さん自邸の屋根を原寸スケールで造った展示。
建築写真では何度も見たことある有名な住宅ですが、ふわっとした浮遊感と居心地良いスケールは体感してあらためて美しい建築だな、と実感しました。
菊竹さんは理論もさることながら、プロジェクトが大きくなっても常にヒューマンスケールと空間に身を置く感情のコントロールが成されている稀有な建築家だと思いました。
展示を実現させたキュレーターのセンス、関係者の尽力には敬服いたします。
会期中、あと2回くらい見に行きたくなるかな。